税理士試験の簿記論について調べていると、「簿記論は難しすぎる」「途中で挫折する人が多い」といった声をよく見かけます。
実際、簿記論は税理士試験の中でも計算量が多く、学習範囲も広い科目です。そのため、勉強を始めたものの途中で思うように進まず、不安を感じてしまう人も少なくありません。
ただし、簿記論は「特別に難しい問題を解く試験」というより、試験の特徴を理解していないことで難しく感じてしまうケースも多い試験です。
この記事では
- 簿記論が難しいと言われる理由
- 簿記論で挫折する人の特徴
- 簿記1級や財務諸表論との違い
- 挫折しないための勉強法
について解説します。
簿記論の受験を考えている人や、勉強がうまく進まず悩んでいる人は参考にしてみてください。
簿記論は難しいと言われる理由
簿記論が難しいと言われる理由は、主に次の3つです。
- 学習範囲が広い
- 問題量が多い
- 計算スピードが求められる
まず、簿記論は学習範囲が広い科目です。企業会計に関するさまざまな論点を理解する必要があり、勉強を始めたばかりの頃は覚えることの多さに戸惑う人も多いと思います。
さらに、本試験では問題量が多く、制限時間の中ですべての問題を解くのが難しい試験です。計算の難易度そのものが極端に高いわけではありませんが、多くの問題を処理するスピードと正確性が求められます。
そのため、簿記論は「問題が難しい」というよりも、「試験のボリュームが大きい」ことが難しさの大きな原因と言えます。
こうした特徴を知らずに勉強を始めると、途中で「思ったより大変だ」と感じてしまうこともあります。
簿記論の難易度|簿記1級や財務諸表論と比べるとどうなのか
簿記論の難しさを理解するためには、他の試験と比較するとイメージしやすくなります。
ここでは、よく比較される
- 日商簿記1級
- 税理士試験の財務諸表論
との難易度の違いを解説します。
簿記1級と簿記論はどちらが難しい?
結論から言うと、一般的には
試験の難易度は簿記論の方が高いと言われることが多いです。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、試験時間に対する問題量です。
簿記論は本試験の問題量が非常に多く、すべての問題を丁寧に解こうとすると時間が足りなくなることも珍しくありません。
そのため、計算スピードとミスの少なさが強く求められます。
2つ目は、合格までの勉強量です。
簿記1級は難しい試験ではありますが、合格に必要な学習範囲はある程度決まっています。一方、簿記論は税理士試験の科目であり、より広い範囲の理解と演習量が必要になります。
そのため、簿記1級に合格していても、簿記論の試験形式に慣れるまでは難しく感じる人も多いです。
簿記論と財務諸表論はどちらが難しい?
簿記論と財務諸表論は、税理士試験で同時受験する人が多い科目です。
ただし、難しさの種類は大きく異なります。
簿記論は
- 計算量が多い
- 計算スピードが必要
という難しさがあります。
一方、財務諸表論は
- 記述問題がある
という難しさがあります。
そのため、一般的には
- 計算が得意な人 → 簿記論の方が取り組みやすい
- 暗記が得意な人 → 財務諸表論の方が取り組みやすい
と言われることが多いです。
ただし、簿記論は問題量が多く時間との戦いになりやすいため、「試験の厳しさ」という意味では簿記論の方が大変だと感じる人も多いと思います。
簿記論で挫折する人の特徴
簿記論は難易度の高い試験ではありますが、すべての受験生が挫折するわけではありません。
一方で、途中で勉強をやめてしまう人にはいくつかの共通点があります。ここでは、簿記論で挫折しやすい人の特徴を紹介します。
範囲の広さについていけない
簿記論で挫折する人に多いのが、学習範囲の広さについていけなくなるケースです。
簿記論は企業会計に関するさまざまな論点を学習する必要があり、勉強を始めたばかりの頃は覚えることが非常に多く感じます。
また、最初のうちは勉強してもすぐに問題が解けるようになるわけではないため、「本当に理解できているのか」と不安を感じやすい科目でもあります。
こうした状態が続くと、勉強が思うように進んでいないと感じてしまい、途中でモチベーションが下がってしまうこともあります。
特に簿記の学習経験が少ない場合は、基礎部分でつまずいてしまうケースもあります。
簿記の基礎が不安な場合は、基礎部分をしっかり確認しながら進めることが重要です。
簿記論や財務諸表論を勉強するにあたって必要な簿記知識についてはこちらで解説しています。
簿記論と財務諸表論の両立ができない
簿記論は、財務諸表論と同時に受験する人が多い科目です。
しかし、この2科目を同時に勉強することが大きな負担になることもあります。
簿記論は計算中心の科目であり、問題演習の量が重要になります。一方で、財務諸表論は理論の暗記や理解が必要になる科目です。
そのため、
- 簿記論の計算演習
- 財務諸表論の理論暗記
を同時に進めなければならず、勉強時間の配分が難しくなります。
特に働きながら勉強している場合は、勉強時間そのものが限られているため、どちらの科目も中途半端になってしまうこともあります。
このバランスがうまく取れないと、「思ったように進まない」と感じてしまい、勉強が止まってしまう原因になることがあります。
問題演習が不足している
簿記論で挫折する人のもう一つの特徴が、問題演習の量が不足していることです。
講義やテキストを読んで理解したつもりでも、実際に問題を解いてみると解けないことはよくあります。
簿記論は計算試験であるため、
- 計算スピード
- ケアレスミスの少なさ
が点数に大きく影響します。
そのため、講義を視聴するだけのインプット中心の勉強では、本試験で点数を取ることが難しくなります。
問題演習を通して計算処理に慣れていくことが、簿記論の勉強では特に重要になります。
勉強が長期戦になり継続できない
税理士試験は長期戦になりやすい試験です。
簿記論も例外ではなく、多くの受験生が数ヶ月から1年程度の勉強期間をかけて試験に臨みます。
勉強期間が長くなるほど
- モチベーションの低下
- 勉強時間の確保が難しくなる
- 思うように点数が伸びない不安
といった問題が出てくることもあります。
こうした状況が続くと、勉強が途切れてしまい、そのまま挫折してしまうケースもあります。
勉強を続けるためには、無理のない学習計画を立てることや、勉強を習慣化することが大切です。
社会人の私が勉強時間を確保するために辞めたことについてはこちらで解説しています。
簿記論で挫折しないための勉強法
ここまで、簿記論が難しいと言われる理由や、挫折してしまう人の特徴について解説してきました。
では、簿記論で挫折しないためにはどのような勉強方法を意識すればよいのでしょうか。
ここでは、特に重要だと考えられるポイントを紹介します。
アウトプット中心で勉強する
簿記論の勉強で最も重要なのは、問題演習の量です。
講義を視聴したりテキストを読んだりすることは、知識を理解するために必要です。しかし、それだけでは本試験で点数を取ることは難しくなります。
簿記論は計算試験であり、実際に問題を解く練習を繰り返すことで
- 計算スピードが上がる
- ミスが減る
- 問題のパターンが見えてくる
といった変化が出てきます。
そのため、勉強を進める中ではインプットだけでなく、できるだけ早い段階から問題演習を取り入れることが重要です。
完璧を目指さない
簿記論の勉強では、すべての論点を完璧に理解しようとしてしまう人もいます。
もちろん、理解を深めることは大切ですが、税理士試験は満点を取る試験ではありません。
簿記論は問題量が多いため、すべての問題を丁寧に解こうとすると時間が足りなくなることがあります。
そのため、本試験では
- 取れる問題を確実に取る
- 難しい問題に時間をかけすぎない
という考え方も重要になります。
勉強の段階でも、細かい論点に時間を使いすぎるのではなく、全体をバランスよく学習することが大切です。
継続できる勉強環境を作る
税理士試験は長期戦になりやすいため、勉強を継続できる環境を整えることも重要になります。
例えば
- 勉強時間をあらかじめ決めておく
- 勉強に集中できる環境を整える
- 学習習慣を作る
といった工夫をすることで、勉強を続けやすくなります。
特に働きながら勉強する場合は、限られた時間の中で効率よく学習する必要があります。
そのため、日々の生活の中で勉強時間を確保する工夫が重要になります。
簿記論は難しいが合格できる試験
簿記論は確かに簡単な試験ではありません。
学習範囲は広く、本試験では問題量も多いため、最初は難しく感じる人も多いと思います。
しかし、簿記論は特別な才能が必要な試験というわけではありません。
重要なのは
- 継続して勉強すること
- 問題演習をしっかり行うこと
この2つです。
簿記論は最初のうちは難しく感じるかもしれませんが、問題演習を繰り返すことで徐々に計算に慣れていきます。
勉強を続けていく中で計算スピードが上がり、点数が安定してくると、合格に近づいていることを実感できるようになります。
簿記論は大変な試験ではありますが、正しい勉強方法で継続して取り組めば、十分に合格を目指すことができる科目です。
これから簿記論の勉強を始める人や、途中で不安を感じている人は、焦らずに一つずつ問題演習を重ねていくことを意識してみてください。

