スタディングとネットスクールは、税理士試験の通信講座としてよく比較されます。
なお、ネットスクールの税理士講座はアガルートアカデミー経由でも受講可能です。講座内容はネットスクール制作ですが、申込窓口や支払い条件に違いがあります。本記事ではその違いも含めて整理します。
社会人フルタイムで簿記論・財務諸表論を同時に目指す場合、講座選びはその年の戦略を決める重要な分岐点です。
価格差は約12万円。
学習スタイルは真逆。
本記事では、
・価格
・カリキュラム構成
・教材の中身
・演習量
・フォロー体制
・ネットスクール直とアガルートの違い
を整理し、条件別に結論まで示します。
結論 価格重視ならスタディング 王道型ならネットスクール
最初に結論です。
- 合理的にコストを抑えたい → スタディング
- 紙教材で王道型の演習を積みたい → ネットスクール
この構図になります。
社会人フルタイムの場合、
・学習時間は限られている
・途中離脱は避けたい
・翌年再受験の可能性もある
という前提があります。
価格を抑えたい人にとっては、スタディングは合理的な選択肢です。
一方で、王道型のカリキュラムや紙教材を重視するならネットスクールが選択肢になります。
実際にスタディングの特徴や向いている人については、こちらで整理しています。
価格差は約12万円 この差をどう考えるか
まず最大の違いは価格です。
スタディング
簿記論・財務諸表論パックで約8万円前後。
教材はデータ中心。追加で市販問題集を購入しても、総額は大きく膨らみません。
価格を抑えられる分、外部模試や市販問題集に投資する余地があります。
翌年再受験になった場合のリスクも小さく抑えられます。
公式の最新コース内容やキャンペーンは、必ず自分で確認しておくのがおすすめです。
ネットスクール
標準コースで約20万円前後。
書籍なしコースは約2万円安い設定ですが、使用教材は市販書籍と同一のため、結局購入が必要になります。実質価格差はそこまで縮まりません。
なお、再受験などで前年版の教材をすでに持っている場合は、会計基準等に大きな改正がない年度であれば、そのまま継続使用できる可能性もあります。
ただし、改正対応の有無や補足資料の扱いは年度によって異なります。前年教材を使い続けるべきかどうかは、必ず講師や事務局に確認したうえで判断してください。
価格だけを見るとスタディングと約12万円の差があります。
価格は高めですが、その分王道型のカリキュラムや添削指導が含まれています。この差をどう捉えるかが判断のポイントです。
価格だけで決めるのは危険
ただし、
「安いからスタディング」
と即断するのも違います。
ネットスクールは王道型の構成で、演習量や紙教材の安心感があります。
実際にネットスクールの消費税法テキストを使っていますが、内容はオーソドックスでわかりやすい構成です。奇をてらった印象はなく、堅実に理解を積み上げるタイプ。
この点は評価できます。
重要なのは、
その差に12万円の価値を感じるかどうかです。
カリキュラム構成の違い
スタディング
・スマホ中心
・INPUTとOUTPUTは基礎をしっかり押さえる設計
強制力はほぼありません。
その代わり、
・通勤時間
・スキマ時間
などで効率化できます。
社会人フルタイムとの相性は良い設計です。
ネットスクール
・基礎→応用→直前の王道構成
・直前答練あり
・模試あり
・添削あり
フル装備型。
紙教材中心で腰を据えて取り組むタイプです。
演習量の考え方
ネットスクールは演習量が多めです。
・問題集
・直前答練
・模試
王道構成。
一方、スタディングは「最低限+自分で補完」が必要です。
私も簿記論については市販問題集と模試を追加しています。
どの講座を選んでも外部模試は受験可能です。
演習量は講座が決めるものではなく、自分で増やすこともできます。
フォロー体制の違い
ネットスクールには
・添削
・オンラインカウンセリング
・学び舎SNS
があります。
アガルート経由でも同様の講座を受講可能です。
スタディングは自己管理型。
サポートを多く求める人はネットスクール向き。
ただし、必須かどうかは人によります。
ネットスクールとアガルートの違い
まず前提をはっきりさせます。
アガルートは講座の中身(教材・講師・カリキュラム)はネットスクール制作です。
- 使用教材はネットスクール刊行書籍
- 講師も同一
- カリキュラム構成も同系統
- 学び舎(SNS)も利用可能
- カウンセリングも実施
つまり、学習内容そのもので大きな差はありません。
ここを誤解すると比較がブレます。
違いは「どこから申し込むか」
差が出るのは申込条件です。
① 分割払い
アガルートは10回まで分割手数料無料。
一括で20万円は重いと感じる人には現実的なメリットです。
② 既存受講生割引
ネットスクールは、他資格受講歴がある場合に割引があることがあります。
既存ユーザーならネットスクール直の方が有利なケースもあります。
③ 書籍なしコース
ネットスクールには書籍なし版(約−2万円)があります。
ただし、使用教材は市販書籍と同一のため、実際には購入が必要です。
結果的に総額差はそこまで大きくなりません。
年の途中から始める場合
年度版の販売タイミングは、申込窓口によって異なる場合があります。
年の途中から受講を検討している場合は、
- 販売中の年度
- 視聴可能期間
- 直前答練の扱い
を必ず公式で確認してください。
ここは時期によって変わるため、断定はしません。
ネットスクールを選ぶべき人
ここまでを整理すると、ネットスクール系が向いているのはこういう人です。
- 紙教材で腰を据えてやりたい
- 添削や演習量を重視したい
- 王道カリキュラムに安心感を求める
- 学習管理にある程度の外部フォローが欲しい
実際に消費税法テキストを使っていますが、内容はオーソドックスでわかりやすいです。
スタディングを選ぶべき人
一方で、スタディングはこういう人向きです。
- コストを抑えたい
- スマホ中心で学習したい
- 通勤時間をフル活用したい
- 自己管理できる
社会人フルタイム目線での最大分岐
フルタイム受験生にとって最大の敵は「継続」です。
平日2時間、休日5時間。
これを崩さず続けられるか。
ネットスクールは演習量が多く、自然と学習時間が増えます。
スタディングは自由度が高く、自己管理が前提です。
ネットスクールを含めた通信講座の比較はこちらの記事で解説しています。
条件別おすすめ
ここまで読んで迷っているなら、条件で切り分けます。
① とにかくコストを抑えたい
→ スタディング
約8万円。
仮に翌年再受験になってもダメージは小さい。
浮いた12万円は、
・外部模試
・市販問題集
・翌年受講費
に回せます。
合理性を最優先するなら、スタディングは強い選択肢です。
② 王道型で演習量を重視したい
→ ネットスクール
紙教材中心。
基礎→応用→直前の王道構成。
添削あり。
実際に消費税法テキストを使っていますが、内容は堅実でわかりやすいです。
価格差12万円を「安心料」として払えるかどうかが分岐です。
③ ネットスクール系を選ぶなら
講座内容はほぼ同系統。
違いは申込条件。
- 分割払いを使う → アガルート
- 他資格受講歴あり → ネットスクール直
- 一括払いで新規 → 条件を見て判断
アガルートの分割手数料無料は、資金繰り面では現実的なメリットです。
合格可能性の現実
ここは冷静に整理します。
どの講座からも合格者は出ています。
逆に言えば、
どの講座を選んでも落ちる人は落ちます。
差が出るのは、
・演習量
・理論開始時期
・継続力
です。
講座選びは重要ですが、それがすべてではありません。
社会人フルタイムの本当の敵
最大のリスクは理解不足ではありません。
「疲労」と「継続」です。
- 平日2時間
- 休日5時間
- 直前期はさらに+α
このペースを1年崩さず続けられるか。
強制力が欲しいならネットスクール。
自走できるならスタディング。
社会人の時間設計については、こちらも参考になります。
価格差12万円の本当の意味
約12万円。
これは単なる数字ではありません。
- 翌年受験の余力
- 精神的な余裕
- 他科目への投資
にも影響します。
スタディングは「合理的に戦う講座」。
ネットスクールは「王道フル装備で戦う講座」。
どちらが正しいという話ではありません。
最終結論
社会人フルタイムで、
・自己管理できる
・コストを抑えたい
ならスタディング。
・紙教材中心でやりたい
・演習量を多く積みたい
・添削や王道構成に安心感を求める
ならネットスクール。
ネットスクール系を選ぶ場合は、申込条件も比較してから決めてください。
講座比較に時間をかけすぎるより、
早く決めて勉強を始める方が合格には近づきます。
ここまで読んだなら、判断材料は揃っています。
あとは条件で選ぶだけです。
私がスタディングを選んだ理由についてはこちらの記事で詳しく解説しています。


