税理士試験の財務諸表論について調べていると、「どこまで勉強すれば合格できるのか」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
財務諸表論は簿記論と同時に受験する人が多い科目です。しかし理論問題と計算問題の両方が出題されるため、「どの程度の完成度があれば合格できるのか」が分かりにくい科目でもあります。
また、財務諸表論は年によって難易度の差が大きい科目です。近年でも合格率は8%台から30%台まで大きく変動しており、試験の難易度によって合格ラインも変わると言われています。
そのため、「どの程度の完成度で合格できるのか」を知りたい人も多いと思います。
私自身も働きながら簿記論と財務諸表論を同時に勉強し、財務諸表論は自己採点72点で合格しました。ただし、本試験前の完成度は決して高いとは言えず、理論についてはかなり不安が残った状態で本試験を迎えています。
この記事では、財務諸表論はどこまで勉強すれば合格できるのかについて解説します。合格ラインの考え方や、合格者の完成度についても実体験をもとに紹介します。
財務諸表論はどこまで勉強すれば合格できる?
財務諸表論は簿記論と同時に受験する人が多い科目です。そのため、「簿記論と比べてどの程度の完成度が必要なのか」が気になる人も多いと思います。
結論から言うと、財務諸表論は
すべての論点を完璧に仕上げる必要はありません。
もちろん基本的な論点は理解しておく必要がありますが、すべての理論を完全に暗記しなければ合格できないわけではありません。
財務諸表論では
・理論問題
・計算問題
の両方が出題されます。
そのため、理論だけを完璧にしても合格できるとは限りませんし、逆に計算だけできても合格は難しいです。
重要なのは、
理論と計算を含めて合格ラインを超える完成度を作ること
です。
簿記論と財務諸表論を同時に勉強する方法については、こちらの記事でも解説しています。
https://zeirishi-roadmap.com/zeirishi-bokiron-zaimu-which-first/
財務諸表論は計算40点が一つの目安
財務諸表論では、多くの予備校が
計算で40点以上
を一つの目安としていることが多いです。
理由は、理論問題は採点基準が読みづらく、
・どの程度点数がもらえるのか
・どの程度部分点が入るのか
が分かりにくいからです。
そのため、
計算でしっかり得点すること
が合格の安定につながります。
なお、簿記論についても「どの程度の完成度で合格できるのか」をまとめた記事を書いているので、気になる方はこちらも参考にしてみてください。
財務諸表論の計算は財務諸表の作成が中心
財務諸表論は簿記論と比べると、計算問題のボリューム自体はそれほど多くありません。
ただし、これは単純に計算量が少ないという意味ではありません。
財務諸表論の計算問題は、
財務諸表の作成
が中心になります。
そのため、計算そのものの難易度が極端に高いというよりも、
・基本的な処理を理解しているか
・財務諸表を正しく作れるか
が問われる問題が多いです。
そのため簿記論の計算がある程度仕上がっていれば、財務諸表論の計算にも対応できるケースは多いです。
実際、私の場合も財務諸表論の計算対策として、新しく計算問題集を追加することはほとんどありませんでした。
計算対策として行っていたのは、
・注記
・表示
などの確認です。
財務諸表論では計算だけでなく、こうした表示や注記に関する理解も重要になります。
財務諸表論は合格率の差が大きい科目
財務諸表論の特徴の一つが、年によって合格率の差が大きいことです。
近年でも合格率は
・8%台の年
・30%を超える年
など大きく差があります。
つまり、試験の難易度によって
合格ラインも大きく変わる
可能性があります。
そのため、特定の年の難易度に合わせて勉強するというよりも、
どの年でも合格ラインを超えられる得点力
を身につけることが重要になります。
私が財務諸表論に合格したときの完成度
ここからは、私が実際に財務諸表論に合格したときの完成度について書いていきます。
2025年第75回の本試験では、自己採点は72点でした。
ただし、本試験前の完成度は決して高いとは言えませんでした。特に理論についてはかなり不安が残った状態で本試験を迎えています。
そのため、「理論を完璧に暗記しないと合格できないのでは」と不安に感じている人にとっては参考になる部分もあると思います。
簿記論と財務諸表論を同時に勉強していたときの勉強の進め方については、こちらの記事でも解説しています。
https://zeirishi-roadmap.com/zeirishi-boki-zaimu-roadmap/
理論の勉強を本格的に始めたのは4月
財務諸表論の理論を本格的に勉強し始めたのは4月頃でした。
税理士試験の勉強では、理論は早めに始めたほうがいいと言われることも多いですが、私の場合は簿記論の計算を優先していたこともあり、理論の開始は比較的遅いタイミングになりました。
この時期は
・理論の問題を見る
・解答を読む
という形で、内容を理解する程度の勉強が中心でした。
暗記というよりも、
理論の内容をざっくり理解する
という段階でした。
本試験前でも理論はほとんど完成していなかった
財務諸表論に合格した年でも、理論の完成度は決して高くありませんでした。
本試験前の感覚としては、
全範囲の2割程度なら内容が分かる
という状態です。
つまり多くの理論については
・正確に書けない
・内容があいまい
という状態でした。
一般的には理論はできるだけ多く暗記しておいたほうが有利と言われますが、実際には理論が完璧でなくても合格するケースはあります。
財務諸表論の理論は暗記量が多いため、すべての理論暗記を完璧に仕上げるのは簡単ではありません。
そのため、本試験では覚えていた理論が出題されるかどうかという運の要素があるのも事実だと思います。
実際、私の場合もたまたま覚えていた理論が出題された部分があり、その分の得点は大きかったと感じています。
7月以降は理論暗記をほとんどしていない
財務諸表論の理論については、7月以降はほとんど勉強していませんでした。
理由はシンプルで、
理論を覚えきるのは難しいと感じたからです。
7月の時点で理論の完成度は高くありませんでした。
簿記論と同時並行して両方とも落ちるより合格可能性が高い簿記論に注力しようと考えたからです。
そこで7月以降は週に1~2回、表示や注記の確認をする程度に変更しました。
理論については一切触れずに本試験を受けました。
財務諸表論の計算対策は注記や表示の確認のみ
財務諸表論の計算対策として、新しい問題集を解くことはほとんどありませんでした。
計算問題の演習として行っていたのは、
本試験の過去問を計算問題だけ3年分ほど解く
という程度です。
計算そのものがメインではなく、
・注記
・表示
の確認です。
財務諸表論では
・財務諸表の表示
・注記の内容
などが問われるため、こうした部分を確認する勉強を中心にしていました。
本試験の理論は完璧ではなかったがある程度書けた
本試験の理論問題については、
完璧に書けたという感覚ではありませんでした。
ただし、
・まったく書けなかった
・大きく外した
という印象もありませんでした。
ある程度は書けている感覚があり、極端に失点している感じではなかったと思います。
そのため、
・理論で多少の失点はある
・計算でカバーする
という形で、最終的に合格ラインを超えることができたのだと思います。
また、結果的に点数が取れた理由の一つとして、たまたま覚えていた理論が多く出題されたという点もあると思います。
財務諸表論の理論は範囲が広く、すべてを完璧に覚えるのは現実的ではありません。そのため、本試験では
・覚えていた理論が出題される
・覚えていない理論が出題される
といった運の要素があるのも事実です。
実際、私の場合もたまたま理解していた内容が出題された部分があり、その分の得点は大きかったと思います。
